老後の費用

 

前項では、生活パターンのいろいろな変化についてお話してきました。まずはそれが大切だとしたのですが、実際の実現のためには、やはり、老後の費用については避けて通れません。まずは、老後の生活では何にお金がかかるのかをしっかり整理・理解することから始めてください。

 

実際に、どの位の費用が必要になるのかについては、住居の条件、居住地区によっても差も出てきますが、金融広報中央委員会が毎年実施している「家計の金融行動に関する世論調査」を参考にしてみます。ちなみにこれは老後の生活費、貯蓄に関してのアンケートによる平均額です。(データは数年前のもの参照)

 

ここでは、老後1ヶ月当たりの最低予想生活費が「27万円」となっています。そして、年金支給時に最低限準備しておく必要のある貯蓄額は「2,071万円」です。2004年の年金改正法案成立での、政府試算モデル世帯となる夫婦二人の2025年の年金額は、これより少なく、1ヶ月当たり「23.7万円」となっています。いずれにしても基本的には20数万円レベルの生活費が必要とされており、それに加えて貯金も約2000万円必要だというのですから、少々荷が思いと感じる人が多いかもしれません。

 

現在の生活費が25万円の場合だと、現状維持なら、老後の生活費も毎月25万円使うでしょう。多少ガマンするなら20万円あたりまでは下げられる可能性があります。しかし単純にはいきません。老後の生活で大きな落とし穴となるのは「物価上昇」です。物価上昇レベルによっては老後の生活が脅かされることになります。厳しくみるなら、毎年1%程度は物価が上昇していくような覚悟をした方がいいかもしれません。そこで、老後の生活を安定させる退職金の安定運用は極めて大きなポイントになってくるのです。